腱板断裂とは
肩が上がらない・夜間痛の原因となる肩の腱の損傷
腱板断裂とは、肩関節を動かすために重要な腱板(けんばん)という腱が損傷または断裂する疾患です。
腱板は肩関節を安定させながら腕を持ち上げる働きを担っています。
この腱が加齢による変性や外傷、スポーツなどをきっかけに断裂すると、肩の痛みや腕が上がらないといった症状が生じます。
肩の痛みの原因として非常に多い疾患ですが、初期にはレントゲンで異常がはっきりしないこともあり、五十肩と診断され長期間治療を受けているケースも少なくありません。
当院ではMRIや超音波検査を用いて腱板の状態を評価し、病態に合わせた治療を行っています。
腱板断裂の主な症状
腱板断裂では次のような症状がみられます。
・腕が上がらない
・腕を上げる途中で痛い
・動かさなくても肩が痛い
・夜寝ていると痛みで目が覚める(夜間痛)
・肩に引っかかる感じがする
・腕に力が入りにくい
特に
「腕が上がらない」「夜間痛」
といった症状は腱板断裂でよくみられます。
腱板断裂と五十肩の違い
腱板断裂と五十肩の違い
腱板断裂は五十肩(凍結肩)と症状が似ているため、区別が重要です。
五十肩では
・肩が固くなる
・可動域制限が強い
ことが多いのに対し、
腱板断裂では
・腕を上げる途中で痛い
・肩に力が入らない
・引っかかる感じがする
といった症状がみられることがあります。
当院ではMRIや超音波検査を行い、腱板の状態を詳しく評価します。
腱板断裂の原因
腱板断裂の原因には以下のようなものがあります。
加齢による変性
年齢とともに腱が弱くなり、徐々に断裂することがあります。
外傷
転倒して手をついたり、重いものを持ち上げたりした際に断裂することがあります。
スポーツ
野球やテニスなど肩を繰り返し使用するスポーツでも生じることがあります。
腱板断裂の診断
腱板断裂の診断
腱板断裂の診断には
・診察
・レントゲン
・超音波検査(エコー)
・MRI
などを行います。
レントゲンでは腱板は写らないため、MRIや超音波検査が重要になります。
当院では1.5テスラMRIと超音波検査を用いて腱板の状態を評価しています。
腱板断裂の治療
腱板断裂の治療は
・断裂の大きさ
・症状
・年齢
・生活背景
などによって異なります。
保存治療
まず保存治療が行われます。
・運動器リハビリ
・注射治療
・薬物療法
などを行います。
エコー下でのブロック注射を併用しながら、肩甲骨周囲や腱板筋群の機能を改善するリハビリを行うことで症状が改善することもあります。症状が一時的に改善しても ”ほつれ” ですので、修復せず経時的に断裂が拡大していく心配があります。痛みがなくなっても半年後、その後は1年後の定期受診をおすすめします。
腱板断裂の手術
保存治療で改善しない場合や断裂が大きい場合には手術を検討します。
当院では主に関節鏡手術を行っています。
関節鏡手術は小さな切開からカメラを挿入して行う低侵襲手術です。
手術では
・断裂した腱を骨に縫い付ける
・引っかかりの原因となる骨を整える
などの処置を行います。
吸収性アンカーという糸付きの固定具を使用し、腱板を骨の付着部に縫合します。
腱板断裂は断裂の大きさや形態、患者さんの年齢や活動性などにより治療方針が異なるため、患者さんそれぞれの状態を考慮して治療方法を選択します。
院長はこれまでに1000例以上の肩関節鏡手術の経験があります。
大きな腱板断裂の場合
断裂が大きく腱が引き込まれている場合には
・大腿筋膜パッチ
・上方関節包再建
などの手術を行うことがあります。
腱を無理に引き寄せるのではなく、筋膜を移植して肩のバランスを回復させる手術です。
リバース型人工肩関節
腱板断裂が進行し関節症を伴う場合には、リバース型人工肩関節置換術が選択されることがあります。
この手術は
・肩関節手術の経験
・専門講習の受講
などの条件を満たした医師のみが行うことができる手術です。
腱板断裂は放置しても大丈夫?
腱板断裂は自然に元通りに修復されることは基本的にありません。
症状が軽い場合にはリハビリなどで改善することもありますが、断裂が徐々に大きくなることもあります。
長期間放置すると
・断裂が拡大する
・筋肉が萎縮する
・関節の変形が進む
こともあるため、症状が続く場合は整形外科での診察をおすすめします。
よくある質問
腱板断裂は手術が必要ですか?
断裂の大きさや症状によって治療方針は異なります。
リハビリや注射で改善することもありますが、症状が強い場合や断裂が大きい場合には手術を検討することがあります。
腱板断裂の手術は入院が必要ですか?
関節鏡による腱板修復術は低侵襲手術であり、数日の入院で行われることが多い手術です。
腱板断裂のリハビリはどのくらい必要ですか?
症状や治療方法によって異なりますが、数ヶ月程度のリハビリを行うことがあります。
手術後も段階的にリハビリを行い肩の機能回復を目指します。
越谷市で腱板断裂の治療をお探しの方へ
腱板断裂は早期に診断することで
・保存治療で改善する
・手術の選択肢が広がる
ことがあります。
肩の痛みや腕が上がらない症状が続く場合は、早めに整形外科を受診することをおすすめします。
当院ではMRI・エコー検査を用いた診断、リハビリ、注射治療、関節鏡手術まで対応しています。
肩の痛みについて詳しくはこちら
→肩関節外科ページ▶

